コミティア147で出会った、印象的な写真集たち

2月末、一次創作が中心の同人誌即売会コミティア147」に足を運んだ。昨年末のコミックマーケットでは写真集「City Perspective」を頒布したこともあり、今回は主に写真集を購入した。

 

 

・「BARCELONA'23」 サークル:寺見屋ラボ

バルセロナの街並みを収めた写真集。いつかは行きたい街の一つであるバルセロナの写真集を見つけ、思わず手に取って立ち読み。写真の美しさと印刷の質の高さに惹かれ、購入を決めた。
特に、人物にフォーカスを当て、締まった構図の写真が目を引いた。私自身、全体感を意識した写真を撮る傾向にあるが、改めて構図の大切さを学ぶ良い機会となった。
観光名所や古い街並みの雰囲気が見事に切り取られており、何気ない日常の一コマからも、その土地の空気感が伝わってくる。現地に赴き、生でその雰囲気を味わいたいという思いがますます強くなった。

 

・「澳門アンダーグラウンド」 著者:星野藍

星野さんは主に共産圏の建物や廃墟を撮影されているカメラマン。未だしっかりとまわることができていないマカオの半島側の写真集ということで興味を惹かれ、購入した。
「平民村」や無秩序に立ち並ぶマンションの佇まいは、香港のカオスな風景とはまた異なる独特の雰囲気を醸し出している。香港と比べ、マカオの方が日本人にはどことなくのどかで親しみやすいカオスだと感じた。
また、香港の郊外や離島で見られるような、少し時代を遡ったような情景も写真から垣間見ることができた。

 

・「JUNCTIONS -HANSHIN EXPRESSWAY-」 サークル:夜光部

私は高速道路が好きだ。都市間で見られる地形に沿ってカーブを描く道、地形を切り開いた掘割、谷を大きく超える橋から見える絶景。都市高速で見られるビルの間をすり抜けていく道、川の上を通るが故のカーブや二層構造。ハンドルを握って走るのもよし、構造を外から眺めるのもよし。中でも特に見栄えがするのはジャンクションだろう。スムーズな車の通過を可能にするカーブや立体交差は、見上げても走り抜けても美しい。
この本で特集されている阪神高速は、碁盤目状の道路構造ゆえに美しい構造のジャンクションが多い。ナトリウムランプのオレンジ色が道路を幻想的に彩り、特にヘリから空撮された夜のジャンクションの写真は、車の流れと相まって息を呑む美しさだ。
個人的には東大阪JCT、湊町JCT中之島JCT、垂水JCTが非常に印象的だった。

 

・「Nostalgic Nightview」 著者:ますとも

夜景写真の美しさに一目惚れして購入した一冊。重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の夜をテーマにした写真集だ。
被写体としては珍しくないが、夜景としてここまで映えるとは思わなかった。住宅地であるこうした地域は概して暗いはずなので、撮影の難しさは想像に難くない。その撮影の苦労をしのばせる素晴らしい写真集だ。
中では特に美山と洞川温泉の写真が心に残った。どちらも以前からずっと気になっていた場所で、より一層行ってみたいという思いが募った。

 

今回のコミティアでは、写真集を作った経験から、写真集を中心に購入した。手に入れた写真集からは、撮影テクニックやテーマ選びなど、多くのことを学ぶことができた。今後、様々な表現方法を模索していく中で、これらの写真集は大いに参考になるだろうと思う。こうした刺激的な写真集との出会いに感謝したい。

 

 

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