書くことメインの「まち探訪家」が「写真集」の同人誌を作ったワケ

秋頃、「同人誌を作ろうかな」と思いたちました。

理由としては、同人誌であれば、少しでも自分のやりたいこと(やりたい方向性)を形にできると思ったからというのは大きく、今年露出が少なかったな、という気持ちもあります。

普段、私は「まち探訪家」としてまちや交通に関するライティングを中心に活動していますが、「まち探訪」というのは何もライティングだけではありません。

では、「まち探訪」というのは何をしているのか。一言で言うのは難しいです。しかし、あえてライティングに頼らず、「ライティング」だけではないと表現したいなと思いました。そう考えた結果できたのが、今回の同人誌「City Perspective」というわけです。

今回の大きな特徴は「文章を最低限のキャプションにとどめた写真集にした」ということです。

4年前に制作した同人誌「道路公団民営化15年目の通信簿」、「渋谷、新時代 -消費文化を超えて-」はゴリゴリのライティングだったのですが、それとは対照的なものとなっています。

ただ、まちの写真集はかっこいい・エモいものがプロ、アマ問わず沢山刊行されています。友人の一人も団地の写真を撮って年数冊のペースで刊行しているのを横目に見てきました。しかし、私はそういうタイプの写真はあまり撮りません(撮れません)。

そもそも写真撮影のマインドが違うなと思っています。私はまちを昨今流行の言葉で言うなれば、「マインドフルネス」のようなマインドで撮影しています。風景が立ち現れてきた時に撮し、残すというわけです。

そこに中心市街地がどうだとか、ロードサイドがどうだとかいう評論や評価は関係ありません。

いかなる風景が、いま見えているのか。

ただそれだけです。

そして、まち探訪としては、風景から立ち現れた疑問を探るというわけです。

つまり、「City Perspective」はまち探訪のいわば「入口」で、まちを訪問して見てきた風景の写真集です。

でも、ただ写真を並べてもテーマ性がわかりにくいですよね。そこで、あえて「まち」のことで話題になりやすい「中心市街地」と「ロードサイド」に分類される写真をピックアップし、カタログのようにまとめてみました。

「City Perspective」を手に取って何を思うかは自由です。「中心市街地はいいな」でもいいし、「ロードサイドが好き」でもいい。ただ、一度並べてみることで、擬似的に「マインドフルネス」のような状態でまちを見る時間が流れたなら、「まち探訪」の一端に触れていただけたならいいなと思っています。

本作はこのように、思想が先に来ている本で、いわば「実験作」です。ゆえに、反応も大きくないかなと想定し、数十部限定での頒布としました。
頒布はコミックマーケット103、booth、メロンブックスで行う予定になっていますが、もしかすると早めに予定部数終了となるかもしれません。

コミックマーケット103(31日 東ホール キ55b「鴨春会」)https://twitter.com/yuente/status/1738500300422726118

boothhttps://mistp0uffer.booth.pm/items/5352160

メロンブックスhttps://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2257040

もし、何かこの写真集に感じるところがあれば、ぜひ、手に取って、そして感想をX(旧Twitter)やブログ、もしくはwaveboxでいただければと思います。

それでは、なにとぞ、よろしくお願いします。