経路検索サービスは何を重視すべきなのか

(過去の投稿のコンテンツをこちらに移しております。本記事は2018年5月13日のものです。)

大型連休中、銀座線では3日間にわたって一部区間終日運休を伴う工事がおこなわれました。

工事内容や詳細についてはこちらのまとめや下の写真にゆずりますが、大型連休にかなり大規模な運休となったこともあり、案内看板なども大がかりに修正しており、話題となりました。関係者の皆様はお疲れさまでした。

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また、休日は経路検索を使って移動する人も多いために混乱が予想されたのですが、私が見に行った限りでは、あまりそういうこともなかったようです。

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そこで経路検索サービスを見ると、多くのサービスが今回の運休に対応しており、そのおかげもあったのかと感心していました。もちろん、東京メトロもたくさんの案内人を配置し、周知と迂回ルート案内に努めていました。

長くなってしまうためにスクリーンショットを貼るのは避けますが、ジョルダン駅すぱあと、駅探、ヤフー、Appleのマップ、Google Mapsで対応していました。

しかし、私の普段使っている検索サービス、NAVITIMEではそんなことはありませんでした。

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上写真の左がNAVITIME、右がヤフーによる5/5の同時刻発での検索結果です。

青山一丁目から溜池山王を含めたルートを入れると「工事に伴う運転変更」という注意書きとリンクのみがでて、迂回しないルートが普通に案内されました。この区間は渋谷方面から新橋や銀座に抜けるために使われるルートですし、赤坂見附で銀座線と丸ノ内線を乗り換えるルートもよく出るでしょう。しかし、人身事故や一部遅れの時と同じような表示。これは何も考えずに丸ノ内線や銀座線に乗ってしまう人もいるだろうと思いました。

はじめは時刻情報の提供が各サービスになかったためかと思ったのですが、ヤフーの時刻表では表参道ー青山一丁目の折り返し区間も完璧に12分ヘッドダイヤとして対応されていたところを見ると、事前に各サービスへ時刻情報はいっていたのではないでしょうか。

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上写真は「オープンデータ最前線」で発表されたトラフィックブレイン・太田恒平氏のスライド。

こうした状況でのNAVITIMEの対応には疑問が残ります。なによりも課金サービスとして課金していたユーザーの一人として、もしかしたら困る状況だった可能性があったかと思うと、今後このサービスを継続利用するか否か非常に迷ってしまう出来事です。

そしてこうしたことがあると、ついついデータのメンテナンスや精度について疑いのまなざしをむけてしまいます。

ちなみに、先日取材させていただいた際、NAVITIMEでは検索データを基に交通コンサルティングをしていくということをお伺いしました。しかし、こうした運休予定区間の回避やデータメンテナンスといった面できちんとしていなければ、そもそものデータ源となるユーザー離れを引き起こすことも考えられます。

また、人をうまく誘導するコンサルタントとしても信用できるのかという疑問が生じてしまいかねません。そういった面から私としては、このことは些細なことではないと思っております。

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経路検索サービス各社の稼ぎ方に対する考え方は本当に会社それぞれで、調べるととてもユニークなのですが、今回多くの会社が銀座線運休に伴う経路検索に対応していました。

そうした状況下では、まずしっかりとデータを事前にわかっている大きな工事であればその運行予定に合わせる、メンテナンスを怠らないということはビジネスには重要な「信用」という面でも基本ではないかな、と思う次第です。