2018年、鳴海行人として仕事を振り返る。

(過去の投稿のコンテンツをこちらに移しております。本記事は2018年12月31日のものです。)

去年、おととしに引き続き、今年も長野県長野市で年越しを迎えようとしています。今年は8月末に祖父が亡くなり、静かな年越しです。
思えば2年前に長野で年越しした時は、祖母が亡くなった年でした。しんみりしてしまいますね。

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写真は長野駅前に揃う長電バスアルピコ交通川中島バス)です。

そして、大晦日もあと2時間くらいで終わろうとしています。そこで今年の振り返りを。

ライター元年

今年はライター元年でした。昨年はライター収入よりも別の仕事の収入が多かったのですが、今年はライター仕事でほぼ終わろうとしています。
今年は「チャレンジ」の年と位置づけ、交通ジャンルを中心に様々な記事に挑戦しました。
・駅と再開発
・まちの歴史
・まちの移り変わり
・私鉄の新ビジネスモデル
・交通オープンデータ
・MaaS(Mobility as a Serviceの略)
・自動運転バス

交通とITというテーマに取り組んでみて

中でもかなりチャレンジングに取り組んだのが、「交通とIT」です。専門家の皆様にご教授いただきながら、なんとか書いて参りました。今年はオープンデータについての取り組みが進みながら、下半期から「MaaS」に関するアドバルーンがずいぶんあがった気がします。各地で取材をしながら、己の不勉強に沈むことも多かったですが、私なりにがんばって取材をしたつもりです。さらに精進する必要はもちろんありますが。

数年前から「総合的な交通体系の構築」の必要性を感じておりました。当時は鉄道とバスが結びついた体系的な交通網の構築でしたが、そこからシェアサイクルやカーシェアリングの登場、自動運転のデモ展開開始と状況も変わってきました。そこで既存の概念から転換するために「MaaS」というコトバが出てきたように思います。

そして「MaaS」で重要なことは、理念です。都市住民にとって公共交通はどう幸福な生活に貢献するのかというビジョンを提示・共有することが非常に重要になってきたと思います。そういう意味ではこれまで日本で議論されてきた公共交通の整備・維持とはまたベクトルの違った概念であり、浸透までしばらく時間がかかるように思います。

現状は私鉄的囲い込みビジネスモデルの再構築として「MaaS」が語られることが多いですが、本来はどういった議論が必要か、そしてどんな仕組みづくりが必要かということを引き続き触れていきたいと考えています。

想像しやすい、ちょっと未来の話をしよう

さて、こうした未来のモノはいきなり出てくるわけではありません。地道に積み重なったものがその背後にあります。それが、歴史です。私としてはこの歴史の部分を大切にしながら、「想像しやすい、ちょっと未来の話」をしたいと思います。

また、何もわかりやすい「未来的」な話だけが大事なわけではありません。既存のものの課題および課題を少しでも解消するためのチャレンジングな取り組みも数多くあります。そちらはすぐそこの未来につながる重要な話です。ですから、課題(局所的かもしれませんし、社会的かもしれませんが)やその解決にチャレンジするヒントや取り組みもしっかり取り上げていきたいと思います。

今年の反省点は、まちの話が不十分だったこと

これは交通の話だけではありません。というより、交通の話はあくまでとっかかりです。人は目的があって移動します。移動の先には「目的」があり、「まち」があります。それこそが私にとって本質的な話であり、軸足をしっかりとそちらに置いて、人々の暮らしやまちの姿、課題、先進的取り組みをしっかり取材し、取り上げていきたいのが本音です。

そういう意味では今年、私的に一番よかったのはこの記事でしょう。

違法風俗店街が変身!「黄金町」高架下の挑戦 | 駅・再開発近年、高架下の活用が盛んだ。今までは飲み屋街・駐車場・スーパーといった利用が多く、決してイメージは明るくなかった。しかし、toyokeizai.net

この記事ではまちの課題から地域アートの話まで展開していました。しかし、文字数の都合で地域アートの話は本文には載せられなかったことが悔やまれます。そういう観光的、いいかえれば「どうまなざされるか」という視点もまちを考えるためには重要です。

そして住民の思う「まち」とまなざされる「まち」は時折対立します。ここは私の大きなテーマでもあるのですが、そもそも「まち」について語れたかと言うと、今年はあまりに不十分でした。とりわけ「matinote」の更新があまりままならず、後半はあまりまちの話をできませんでした。

これは来年に向けた大きな反省点です。そのために来年はどうするか、それが重要になります。

「チャレンジ」に協力していただいた皆様へ感謝

仕事のまとめから今年を振り返れば、実は様々なことにチャレンジさせていただきました。そこには私のやりたいことに対しご協力いただいた皆様のバックアップなしでは実現不可能なことでした。本当に今年関わらせていただきました皆様には感謝申し上げます。本当はお一人お一人に感謝申し上げたいのですが、このような形でお許しください。

また、読者がいなければ私の仕事は成り立ちません。とりわけ直接原稿の感想を伝えてくださいます皆様には本当に感謝の気持ちでいっばいです。

最後になりましたが、来年も変わらぬ御贔屓をどうぞよろしくお願いいたします。